抗TNFα抗体製剤はこれまでの治療薬と比べてどのような違いがありますか?
クローン病の患者さんは免疫異常が起きていることがわかっており、これまでの研究により、その免疫異常にTNFαという体内物質が関与していることが明らかになりました。従来の栄養療法は腸を休ませることで腹痛や下痢などの症状を和らげて、症状を安定させていました。しかしながら患者さんによっては完全に炎症をコントロールすることは難しく、その結果、腸内の病変部で病気が進行して、最終的には手術せざるを得ない症例も多くみられます。抗TNFα抗体製剤は、クローン病の発現要因と関係が深いTNFαという体内物質の作用をピンポイントで制御する治療薬であり、病変部の進行を抑えて、腸内の炎症や潰瘍を治癒すること、手術の低減が可能な薬です。
仲瀬裕志先生